観光
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初めて味わう絶望は、二酸化チタンの味がした。 彼らは突然、なんの前触れもなくやってきて、予告なく攻撃してきた。 わたしたちは異星人に侵略された。 植民星スワン5は、太陽系から11.4光年の「はくちょう座16番星B […]
気持ちがもやもやしたら、エアーバイクに乗って禁断の海に行く。 ドーム都市から外に出るのは、厳しく制限されていた。ドームの外は大気圧が500hPa程度で、地球での標高5000mに相当する。酸素濃度は高めだが、それでも呼 […]
カオリがビーチでくつろいでいたら、いきなり恐竜に出くわした。 「え? なに? そういうシナリオだっけ?」 彼女の選んだVRワールドは、ハワイのラニカイ・ビーチ。そこでのんびりと過ごす予定だった。 「ログアウト!」彼女 […]
人間たちがいなくなった街の路地で、黒猫を見つけた。 わたしたちアンドロイドと同様に、彼も捨てられたのだろう。お腹が空いていたのか、彼はわたしに甘えてきた。 「ニャーー」 わたしは彼を家に連れて帰った。 主人である […]
眠っている間に魔法が発動してしまったらしい。 気がついたら、わたしは宇宙船の中にいた。なぜかお気に入りの熊のぬいぐるみと一緒に。 わたしはショーツに彼のシャツを着た格好。 「ちゃんとパジャマを着ておくんだった!」 […]
空が緑色に染まる夜は、ダークエルフが妖艶に舞う。 わたしたちダークエルフは、闇の魔力を使うとして忌み嫌われるが、それは誤解だ。ダークエルフとライトエルフが対立しているというのも、厳密には正しくない。仲良しではないが、 […]
わたしはもうすぐサナギになる。 適齢期になり、生まれ変わりの準備をしないといけない。 巣穴に入る前に、男と交わって身ごもる。 そしてサナギとなり、5年の月日をかけてドラゴンに変態するのだ。 竜族は卵から人間の姿 […]
火星(マルス)のプリンセスのリン・ソリスは、火星から脱出した。 クリュセ王宮は大騒ぎになった。プリンセスはクリュセ王国の要だったからだ。彼女がいないと、マルスは国家間のバランスを失い、戦乱と崩壊の危機に瀕する。 次 […]
見渡す限りの草原の中で、わたしはバニーガールの格好をしていた。 母船が原始ブラックホールと衝突し、救命ポッドで脱出したところまでは覚えている。潮汐力で体と意識が引き裂かれたような気がした。 意識が戻ったら、理解に苦 […]
カオリとエイジはエアバイクを飛ばして、海に水没した都市に辿り着いた。 まるで地球温暖化で都市が沈んだような光景だが、VRワールドにそのような設定の世界はない。別々のVRワールドが重なり合った結果だ。 ふたりはエアバ […]
カイトが海岸沿いの道を竜馬(ドラゴン・ホース)に乗って歩いていると、強い結界が張られた場所に遭遇した。 「強い魔力だ。魔族がいるのかもしれない」彼はいった。 海を渡って魔族が来ている可能性もあった。 彼自身も強い魔 […]
空虚に落ちると、苦痛や恐怖を感じなくなる。 意識がみじん切りにされるかのように、茫漠とした感覚だ。 宙に浮いているのに、重力に引かれる感触もある。 意味不明な光景が目に入り、押しつぶされそうな不自由がまとわりつく […]
ミューズのウーラニアー(Urania)は、金色のペガサスの子供と戯れる。 9人のミューズのひとりであり、占星術と天文を司る。言い換えると、未来と宇宙の事象を見守り、ときには介入する。人間界との接点は多く、国王や神官ら […]
獣人(ベスティアン)のパイオス(Phaios)は、アリスィア王国軍で先兵部隊の戦士長を務めている。 戦いの最前線に立つのがベスティアンだ。彼らの主たる武器は槍。小柄ながら筋骨逞しい彼らは、槍を巧みに扱い、敵をなぎ倒す […]
それは突然出現した。 空が文字通り「割れて」、冷気のように陰(いん)世界が流れこんできた。 「陰子(いんし)」と呼ばれる、陰世界を構成する素粒子は、こちらの世界に直接の干渉はしないが、じわじわと浸食していく。ダーク […]
第5110ロボット小隊は砂漠の惑星「パラディースス(paradisus)」に降下した。 小隊のコールサインは「ブラック・クロタリッド」である。我々の任務は、惑星を荒らす「宇宙バッタ(スペースホッパー)」の殲滅だ。 […]
地球人口の9割が死に至った、「神の怒り」から10年が経った。 森林の多くが業火で焼け、隣接する街も燃えた。砂漠化が進行して空気は乾燥し、火災が頻発すると、可燃性のものはなんでも燃えた。都市そのものがゴミの焼却場と化し […]
まぁ、世の中いろいろあるわけで。 計画通りにはいかないのだよ。 いい仕事があると、タウ・セチまでひとっ飛びしたのはいいが、ポンコツ宇宙船がバグってしまって、ワープできなくなっちまった。 帰りはどうすんだよ? 踏 […]
彼らは古風なドーム状のホールに辿り着き、年代物のダイアル式電話を見つけた。 ホールのど真ん中の床に置かれた電話は、あまりにも場違いであり、それが特別な物であることを示唆していた。 「骨董品の電話なんて、これを使えって […]
わたしが育ててきたグリフィンの子供が飛べるようになった。 この子の名前はグリ。グリフィンは人になつかないといわれていたけど、わたしには犬のようになついている。でも、大きくなったら野生の本能に目覚めるかもしれない。それ […]
レイカは古い城塞跡で、ラプトリアンの群れに遭遇した。 彼女は油断していた。ここは彼らのテリトリーから離れていたからだ。 とっさに彼女はマジックシールドを張った。 異次元融合(クロス・ディメンジョナル・フュージョン […]
絶望的な状況に陥ると、血液が沸騰しているような感覚になる。 アドレナリンとドーパミンとセロトニンと、その他もろもろでハイになっているからだ。別の言い方をすると、セックスのオーガズムに近い。 わたしは追い詰められ、死 […]
巨大な太陽を間近に見ていると、イカロスになった気分。 わたしがいるのは、水星軌道の内側を回る人工惑星“バルカン”だ。バルカンは、19世紀に仮想された惑星だったが、観測技術の発展により実在しないことが判明した。 今日 […]
うたた寝していたカオリは、腹に響く恐竜の咆哮で目が覚めた。 恐竜はすぐ近くにいるようだ。 「エイジ……」 「しっ。ティラノサウルスがハドロサウルスを襲ってるようだ。やつらの嗅覚は優れてるからね、ぼくたちの臭いも嗅ぎつ […]
ウルティマ・トゥーレ(Ultima Thule)の夜空では、衝突する銀河の壮大なイベントが進行中だ。 世界の果てを意味するこの惑星は、天の川銀河から2億光年ほど遠くの銀河系にある。地球からもっとも遠い入植地のひとつだ […]
聖域にある秘密の泉で、わたしはユニコーンと水浴びをする。 彼はこの地に残る最後のユニコーンだ。わたしは幼い頃から、彼の世話をしてきた。神聖な存在のユニコーンだが、彼に触れることができるのは汚れのない処女だけなのだ。 […]
わたしは接敵し、ブロックチェーンの尻尾に偶奇虫(パリティ・ワーム)を突っ込んでやった。 暗号空間(クリプト・スペース)では、暗号は盾であり矛にもなる。しかし、前時代の遺物であるブロックチェーンは、あまりにも鎖が長すぎ […]
魂のないわたしの自我に、銀河のダークマターが囁きかけてくる。 我々は、太陽系から2万5000光年あまり、銀河系中心宙域の探査にやってきた。 このあたりは星々の距離が近く、ダークマターの密度も濃い。銀河中心のブラック […]
この世界“エザフォス”には、人知れず地下世界(ヒュポゲイオン)が網の目のように広がっている。 ヒュポゲイオンに住む種族のひとつが、翡翠地人(ジェイド・エルフ)だ。翡翠のような緑色の肌をしていることから、そう呼ばれる。 […]
戦いの末、ノトス国の玉座を手に入れたが、達成感より虚しさを感じた。 キングはあらゆるものを手に入れられる。権力、領土、金、美食、そして女。それが前キングを倒した挑戦者の報酬だ。 オレはティグリス。ついに頂点に立った […]