2021-02-26
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火星(マルス)のプリンセスのリン・ソリスは、火星から脱出した。 クリュセ王宮は大騒ぎになった。プリンセスはクリュセ王国の要だったからだ。彼女がいないと、マルスは国家間のバランスを失い、戦乱と崩壊の危機に瀕する。 次 […]
カオリとエイジはエアバイクを飛ばして、海に水没した都市に辿り着いた。 まるで地球温暖化で都市が沈んだような光景だが、VRワールドにそのような設定の世界はない。別々のVRワールドが重なり合った結果だ。 ふたりはエアバ […]
うたた寝していたカオリは、腹に響く恐竜の咆哮で目が覚めた。 恐竜はすぐ近くにいるようだ。 「エイジ……」 「しっ。ティラノサウルスがハドロサウルスを襲ってるようだ。やつらの嗅覚は優れてるからね、ぼくたちの臭いも嗅ぎつ […]
わたしが育ててきたグリフィンの子供が飛べるようになった。 この子の名前はグリ。グリフィンは人になつかないといわれていたけど、わたしには犬のようになついている。でも、大きくなったら野生の本能に目覚めるかもしれない。それ […]
ついにタイムマシンの実用に成功した……はずだった。 実験は成功し、過去に飛ぶことはできた。 しかし、戻ることができなくなった。 これは誰かが見つけてくれることを期待して、残しておくメッセージだ。 「タイムトラベ […]
月夜の湖は、バルーン・ツリーの種包を飛ばす音が響く。 「ヒューー、ヒューー、ヒューー」 それは口笛のような音。 勢いよく弾けた種包は、空高く昇ると「パンッ」と火花を散らす。種包の中に水素ガスが入っていて、ある高度に […]
カイトが海岸沿いの道を竜馬(ドラゴン・ホース)に乗って歩いていると、強い結界が張られた場所に遭遇した。 「強い魔力だ。魔族がいるのかもしれない」彼はいった。 海を渡って魔族が来ている可能性もあった。 彼自身も強い魔 […]
亜光速で飛ぶ宇宙船の前方には、星虹(スター・ボウ)が鮮やかなリングを描く。 人類初の反物質エンジンを搭載した恒星間宇宙船「スペース(Spes)」号。名前はラテン語の「希望」と英語の「宇宙」をかけあわせたもの。 地球 […]
彼女は量子の世界で生まれた。 “彼女”というのは、正しくないかもしれない。その存在に生物学的性別は、意味がないからだ。女性として見ているのは、観察者であるわたしの選択だ。 彼女は意図せず生まれることになった。誰も想 […]
わたしは接敵し、ブロックチェーンの尻尾に偶奇虫(パリティ・ワーム)を突っ込んでやった。 暗号空間(クリプト・スペース)では、暗号は盾であり矛にもなる。しかし、前時代の遺物であるブロックチェーンは、あまりにも鎖が長すぎ […]
久しぶりの休暇は、プロキオンAの第六惑星「パピィ(Puppy)」のビーチで過ごす。 地球から11.46光年だが、恒星間ゲートを使えば1日で行ける。ゲートがなかった時代は、低速ワープで何年もかかっていたなんて信じられな […]
目が覚めると、わたしは砂浜のベッドの上で、熱気を含んだ潮風に吹かれていた。 「え? なに? どうなってるの?」 頭はぼんやりしていて、事態を把握できなかった。 砂浜の波の音がサラサラと非現実感を醸し出している。f分 […]
第5110ロボット小隊は砂漠の惑星「パラディースス(paradisus)」に降下した。 小隊のコールサインは「ブラック・クロタリッド」である。我々の任務は、惑星を荒らす「宇宙バッタ(スペースホッパー)」の殲滅だ。 […]
獣人(ベスティアン)のパイオス(Phaios)は、アリスィア王国軍で先兵部隊の戦士長を務めている。 戦いの最前線に立つのがベスティアンだ。彼らの主たる武器は槍。小柄ながら筋骨逞しい彼らは、槍を巧みに扱い、敵をなぎ倒す […]
彼女に言えなかったことがあった。 僕は、明日には消えてしまうと。 出会いがあれば、別れもある。 生涯はその繰り返し。 僕が彼女と出会ったのは、まったくの偶然だった。 いや、あれは必然だったのかな。 出会った […]
拡張を続けるサイバーユニバースには、実際の宇宙のように空虚(ボイド)が発生する。 ボイドは荒涼としているが、「無」ではなくノードが極端に少ない空間だ。身を隠すには好都合だが、攻撃を仕掛ける場合には選択肢が限られる欠点 […]
母の形見の赤いペンは、未来から来た魔法のペン。 呪文を唱えると、ホロスクリーンが浮かび上がる。 「This is a pen.」 これが母に教えてもらった呪文。 わたしが12歳のときに母は他界した。 「ママはね、 […]
わたしは森を守護する森の女王。 7つの大陸に7人の森の女王がいた。わたしはサッピールス(Sapphirus)大陸の森を守護している。 森の女王は、森とともに長い年月を生きる。森の生命力が、女王の霊力の源だ。 わた […]
この世界“エザフォス”には、人知れず地下世界(ヒュポゲイオン)が網の目のように広がっている。 ヒュポゲイオンに住む種族のひとつが、翡翠地人(ジェイド・エルフ)だ。翡翠のような緑色の肌をしていることから、そう呼ばれる。 […]
彼らは古風なドーム状のホールに辿り着き、年代物のダイアル式電話を見つけた。 ホールのど真ん中の床に置かれた電話は、あまりにも場違いであり、それが特別な物であることを示唆していた。 「骨董品の電話なんて、これを使えって […]
エイジが目を開けると、サイバータンクの中だった。 「戻れたか……」 安堵とともに強烈な疲労感に襲われた。これほど長い時間、サイバータンクに入っていたことはなかったからだ。体の節々が痛く、頭もスッキリしない。 タンク […]
気持ちがもやもやしたら、エアーバイクに乗って禁断の海に行く。 ドーム都市から外に出るのは、厳しく制限されていた。ドームの外は大気圧が500hPa程度で、地球での標高5000mに相当する。酸素濃度は高めだが、それでも呼 […]
わたしたちは混沌化したVRワールド内を彷徨っていた。 出口のない迷路。 しかし、クリアするためには出口を見つけないといけない。 エイジは自分の肉体に点滴を打つことを後回しにして、リアルのわたしの肉体を助けに行って […]
死後じゃなくて、生きているときに彼女と出会いたかった。 サイバーお台場をブラブラしていたら、ゴスロリ・ファッションの彼女に呼びかけられた。 「あのー、ここはどこなんでしょうか? 渋谷に行きたいんだけど」 「はぁ? こ […]
戦いの末、ノトス国の玉座を手に入れたが、達成感より虚しさを感じた。 キングはあらゆるものを手に入れられる。権力、領土、金、美食、そして女。それが前キングを倒した挑戦者の報酬だ。 オレはティグリス。ついに頂点に立った […]
レイカは古い城塞跡で、ラプトリアンの群れに遭遇した。 彼女は油断していた。ここは彼らのテリトリーから離れていたからだ。 とっさに彼女はマジックシールドを張った。 異次元融合(クロス・ディメンジョナル・フュージョン […]
人間たちがいなくなった街の路地で、黒猫を見つけた。 わたしたちアンドロイドと同様に、彼も捨てられたのだろう。お腹が空いていたのか、彼はわたしに甘えてきた。 「ニャーー」 わたしは彼を家に連れて帰った。 主人である […]
ウルティマ・トゥーレ(Ultima Thule)の夜空では、衝突する銀河の壮大なイベントが進行中だ。 世界の果てを意味するこの惑星は、天の川銀河から2億光年ほど遠くの銀河系にある。地球からもっとも遠い入植地のひとつだ […]
カオリとエイジは迷路と化した通路を歩き、突き当たりのドアを開けるとそこは未来ワールドだった。 「ここは宇宙船の内部のようだ」エイジはいった。 「ねぇ、ちょっと言いにくいんだけど、トイレはどこかしら?」カオリは困り顔で言 […]
神々の戦いでは、人間は戦いの道具でしかない。 戦う相手は敵の神に仕える人間たちであり、血を流すのも人間たちだ。 「神々の戦い」に終わりはない。 なぜなら、神々は戦うことが存在理由だからだ。 人間は死ぬと、塵とな […]