2021-02-14
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水星の地下都市では、空気と水はゴールドと同等の価値がある。 カロリス盆地の地下に建設された、水星最大の地下都市「カロリス・ヘブン」は、35層もの深さを誇る。垂直断面がスズメバチの巣に似ていることから、アルウス(alv […]
ダークマターが数倍濃い宙域である暗黒沼(ダーク・マドゥ)に、あるはずのない漂流宇宙船を発見した。 ダーク・マドゥは別名“サルガッソ宙域”といわれる。濃いダークマターの重力によって、放浪惑星や大小様々な小惑星、さらには […]
まぁ、世の中いろいろあるわけで。 計画通りにはいかないのだよ。 いい仕事があると、タウ・セチまでひとっ飛びしたのはいいが、ポンコツ宇宙船がバグってしまって、ワープできなくなっちまった。 帰りはどうすんだよ? 踏 […]
カオリとエイジは迷路と化した通路を歩き、突き当たりのドアを開けるとそこは未来ワールドだった。 「ここは宇宙船の内部のようだ」エイジはいった。 「ねぇ、ちょっと言いにくいんだけど、トイレはどこかしら?」カオリは困り顔で言 […]
空が緑色に染まる夜は、ダークエルフが妖艶に舞う。 わたしたちダークエルフは、闇の魔力を使うとして忌み嫌われるが、それは誤解だ。ダークエルフとライトエルフが対立しているというのも、厳密には正しくない。仲良しではないが、 […]
第5110ロボット小隊は砂漠の惑星「パラディースス(paradisus)」に降下した。 小隊のコールサインは「ブラック・クロタリッド」である。我々の任務は、惑星を荒らす「宇宙バッタ(スペースホッパー)」の殲滅だ。 […]
わたしはもうすぐサナギになる。 適齢期になり、生まれ変わりの準備をしないといけない。 巣穴に入る前に、男と交わって身ごもる。 そしてサナギとなり、5年の月日をかけてドラゴンに変態するのだ。 竜族は卵から人間の姿 […]
見渡す限りの草原の中で、わたしはバニーガールの格好をしていた。 母船が原始ブラックホールと衝突し、救命ポッドで脱出したところまでは覚えている。潮汐力で体と意識が引き裂かれたような気がした。 意識が戻ったら、理解に苦 […]
久しぶりの休暇は、プロキオンAの第六惑星「パピィ(Puppy)」のビーチで過ごす。 地球から11.46光年だが、恒星間ゲートを使えば1日で行ける。ゲートがなかった時代は、低速ワープで何年もかかっていたなんて信じられな […]
レイカは古い城塞跡で、ラプトリアンの群れに遭遇した。 彼女は油断していた。ここは彼らのテリトリーから離れていたからだ。 とっさに彼女はマジックシールドを張った。 異次元融合(クロス・ディメンジョナル・フュージョン […]
サイボーグは、機械化された肉体の割合に応じて、魂が削られる。 わたしの場合、臓器のほとんどと骨と筋肉の一部が人工物に置き換わっている。その割合は60%だ。つまり、わたしの魂は40%になっているわけだ。 戦場で負傷し […]
ジュラ紀後期(約1億5,500万年前)の地球に降り立ち、ステゴサウルスの群れに出会った。 ワープ宇宙船にタイムマシン・コアを搭載することで、タイムトラベルの運用が可能になった。タイムマシンの発明者である故ウェルズ博士 […]
花々が光る夜に、三人の巫女は水神(アープ)に祈りと操を捧げる。 雪解け水が大地に潤いをもたらし、草木は花を咲かせ、生きものたちが躍動を始める春。冬を堪えた人々にも、喜びと解放の季節が訪れた。 春の祝祭は、一年の始ま […]
カオリがビーチでくつろいでいたら、いきなり恐竜に出くわした。 「え? なに? そういうシナリオだっけ?」 彼女の選んだVRワールドは、ハワイのラニカイ・ビーチ。そこでのんびりと過ごす予定だった。 「ログアウト!」彼女 […]
ついにタイムマシンの実用に成功した……はずだった。 実験は成功し、過去に飛ぶことはできた。 しかし、戻ることができなくなった。 これは誰かが見つけてくれることを期待して、残しておくメッセージだ。 「タイムトラベ […]
太陽系からの16.1光年にあるグリーゼ832の第二惑星に、異星人の遺物を発見した。 グリーゼ832はM型の赤色矮星。その第二惑星は地球の約5倍のスーパーアースで、仮称を「ギガス(Gigas)」という。 太陽系の近傍 […]
心の迷路で迷ってしまったら、どのドアを通れば帰れるのかわからなくなる。 たぶんこれは夢の中で、わたしは夢を見ているんだと思う。夢なら覚めれば現実に戻れるはずだけど、どうやったら目覚めるんだろう? ずいぶんと長い時間 […]
初めて味わう絶望は、二酸化チタンの味がした。 彼らは突然、なんの前触れもなくやってきて、予告なく攻撃してきた。 わたしたちは異星人に侵略された。 植民星スワン5は、太陽系から11.4光年の「はくちょう座16番星B […]
火星にモノリスだなんて、なんの冗談だよ。 命がけで火星に降り立ってみたら、着陸船の目の前にモノリスが建っていた。 「ふざけるな!」 これはイタズラか? それとも悪夢か? ここは映画のセットで、カメラの向こうにキュ […]
わたしは森を守護する森の女王。 7つの大陸に7人の森の女王がいた。わたしはサッピールス(Sapphirus)大陸の森を守護している。 森の女王は、森とともに長い年月を生きる。森の生命力が、女王の霊力の源だ。 わた […]
カオリとエイジはエアバイクを飛ばして、海に水没した都市に辿り着いた。 まるで地球温暖化で都市が沈んだような光景だが、VRワールドにそのような設定の世界はない。別々のVRワールドが重なり合った結果だ。 ふたりはエアバ […]
水の精「ナーイアス」は碧い月夜に、神秘の泉でヘビと戯れる。 ナーイアスは青い肌に青い目をしている。彼女の姿が目撃されることは極めて珍しい。彼女は人間に見られることを嫌い、いつもは水中に隠れているという。 私が7歳く […]
双子の赤い太陽が沈み、三つ目の月が昇る、新年を迎えた日。 500年に一度の、大魔術祭が執り行われる。これはただの祭りではない。世界の命運がかかった重要な儀式だった。 魔法は世の理(ことわり)を歪曲し、生じる歪みから […]
気持ちがもやもやしたら、エアーバイクに乗って禁断の海に行く。 ドーム都市から外に出るのは、厳しく制限されていた。ドームの外は大気圧が500hPa程度で、地球での標高5000mに相当する。酸素濃度は高めだが、それでも呼 […]
エイジが目を開けると、サイバータンクの中だった。 「戻れたか……」 安堵とともに強烈な疲労感に襲われた。これほど長い時間、サイバータンクに入っていたことはなかったからだ。体の節々が痛く、頭もスッキリしない。 タンク […]
プリンセス・リンは、地球(テラ)の重力に辟易していた。 知識として知ってはいたが、これほど辛いとは思わなかった。科学者はいずれ慣れるというが、数か月はかかりそうだった。彼女は、火星(マルス)を飛び出してきたことが正し […]
彼らは銀河中心ブラックホールの近傍まで来た。 渦巻くガスが加熱されて輝き、漆黒の穴に向かって吸い込まれていく。 そして、亜空間通信の発信源と思われる惑星が、ブラックホールを回る軌道上に見つかった。 アンドロイドのP […]
火星(マルス)のプリンセスのリン・ソリスは、火星から脱出した。 クリュセ王宮は大騒ぎになった。プリンセスはクリュセ王国の要だったからだ。彼女がいないと、マルスは国家間のバランスを失い、戦乱と崩壊の危機に瀕する。 次 […]
魔族の女魔術師トゥリアンダフィリャは、エルフ族との戦いに破れ、かろうじて逃げのびた。 この世界“エザフォス”で最高の魔術師を自認していた彼女にとって、英雄カイトに刃が立たなかったことは大きな誤算だった。彼は彼女の魔法 […]
目が覚めると、わたしは砂浜のベッドの上で、熱気を含んだ潮風に吹かれていた。 「え? なに? どうなってるの?」 頭はぼんやりしていて、事態を把握できなかった。 砂浜の波の音がサラサラと非現実感を醸し出している。f分 […]